ASLTelnet 2.3 リリースノート 08/31/2004 山田浩大 ● ASLTelnet 2.3 ASLTelnetはイリノイ大学で開発されたパブリックドメインTCP/IP ターミナル NCSA Telnet 2.3を日本語化したものです。今回のリリース は既にNCSA Telnetをご使用になっているユーザ向けへのリリースである と前提させていただきます。 ASLTelnetはKINETICS社、Cayman社のゲートウェイやEt herSC/EtherSE/EtherTalkを使用してイーサネット上のホス トマシン(unix/VMS等)にアクセスするためのソフトウェアであり、一般公 衆回線で使用するためのターミナルソフトではありません。ASLTelnet 2. 3は現在フリーウェアとして一般公開しています。 既にNCSA Telnetを利用している方であればASLTelnetのセッ トアップは難しくないでしょう。ASLTelnetではNCSA Telnetでの ファイル名を以下のように変更してあります。 NCSA Telnet 2.3 -> ASLTelnet 2.3 (TCP/IP Terminal Program) 'NCSA' Creator Type -> 'ATEL' Creator Type config.tel.appletalk -> ASL.config.tel (config file for AppleTalk) config.tel.ether -> ASL.config.tel.ether (config file for EtherTalk) config.tel.mactcp -> ASL.config.tel.mactcp (config file for MacTCP) NCSA Telnet Settings -> ASLTelnet Settings (Setting file created by program) ● ASL.config.tel 変更/追加項目 ASL.config.telはNCSA Telnet 2.3のconfig.telをベースに次のような追加/変更を 行なっています。 ◎ 漢字コードをサポートするために tcode / rcode キーワードを追加 ◎ Mac A/UX上で キャラクタ 0x80 が2バイト重複して送られてしまう問題を回避 するための fixaux キーワードを追加 ◎ ASLFont+を標準フォントとしてバンドル ◎ 通信スピードを向上させるためTCPウィンドウサイズ (rwin) を4096に変 更 ◎ 通信スピードを向上させるため最大送信ユニット (mtu) を1024に、最大セグ メントサイズ (maxseg) を1536に変更(但し、EtherTalk / MacTCPバージョンの み) ◎ hardware=MacTCPを追加 ○ tcode キーワード フォーマット tcodeは送信漢字コードを指定するためのキーワードで、以下のコードを指定できます。 tcode=ascii スタンダードASCIIコード(デフォールト) tcode=sjis シフトJISコード tcode=dec DEC漢字コード tcode=euc Extended Unix コード tcode=jis7-1 7-bit JIS ^[$@ ^[(H tcode=jis7-2 7-bit JIS ^[$@ ^[(J tcode=jis7-3 7-bit JIS ^[$B ^[(J ○ rcode キーワード フォーマット rcodeは受信漢字コードを指定するためのキーワードで、以下のコードを指定できます。 rcode=ascii スタンダードASCIIコード rcode=sjis シフトJISコードと7ビットJIS rcode=dec DEC漢字コードと7ビットJIS rcode=euc Extended Unix コードと7ビットJIS rcode=tcode 送信漢字コード(tcode)と同じ(デフォールト) rcodeは上記のように sjis + 7bit もしくは dec/euc + 7bitの指定ができます。漢 字コード自動認識も可能ですが、キャラクタガベージでモードが変更されてしまうこ とを懸念して、あえてサポートしません。余談ですが、unix上で有名な漢字コード変 換PDSである nkfは eucの半角カナシーケンス0x8E + 0xXXをサポートしていませ んので注意してください。 tcode / rcodeはSession Menu内の Transmit Code / Receive Codeの階層メニュー で変更が可能です。 ○ fixaux キーワード フォーマット fixauxはキャラクタコード 0x80 が Mac A/UXからの送信時に2バイト重複して送ら れてしまう問題を回避するためのキーワードです。(A/UX コンソールでは問題ないた め、ptyでの問題と思われる)以下のような指定が可能です。 fixaux=yes Mac A/UX 0x80の問題を回避する fixaux=no 何もしない(デフォールト) A/UXの more は7ビットJIS対応ではありませんので nkf を通してからタイプし てください。あと、A/UXのデフォールトの設定の問題でコントロールC/コントロー ルSがうまく効かないはずですので次の設定を.profile / .loginに付け加えてくださ い。 stty -ignbrk brkint ● ASL.config.telの設定 デフォールトの ASLTelnet.config.telは MacTCP用です。リリースパッケージに AppleTalk / Ethernet用のサンプルコンフィグレーションファイル (ASL.config.tel.appletalk / ASL.config.tel.ether)が添付されていますので、必要 なら ASL.config.telにコピーして下さい。 これらのサンプルではクラスBのインターネットアドレスでホストを指定しています が、適当なエディタで皆さんのホストアドレスを設定してください。 ASL.config.tel.etherをベースにしてマックプラスなどの NUBUSを持たないマシンで 実行しないよう注意してください。 ASL.config.tel.appletalkのデフォールトのフォントサイズが9ポイントになってい ます。Mac IIをお持ちの方は ASLFont+の12ポイントを使用したほうが見やすいと思 いますので ASL.config.telのデフォールトフォント設定に次の変更を行なってくだ さい。(ASL.config.tel.ether / ASL.config.telは変更済みです) fsize=12 # for Mac II family #fsize=9 # for Mac+ / SE family ● Load / Save Set...について ファイルメニューの Load / Save Set...はとても便利な機能で、現在のウィンドウの 設定をSave Set...メニューでファイルにセーブできます。次回の起動時に、そのセッ ティングファイルをダブルクリックすればウィンドウが自動的にオープンします。後 は通常のようにログインして下さい。ASLEdit+でオプションを押しながらオープンを 選択すれば、このセッティングファイルを編集/参照できます。 ● NCSA Telnet 2.3 -> ASLTelnet 2.3の変更箇所 ASLTelnetは漢字を使用しない限りNCSA Telnetとほとんど変わ りませんが、見えない部分で爆弾を回避するための改善を行なっています。 ◎ NCSA Telnet 2.3は MPW-C 2.02で記述されているが ASLTelnet 2.3は THINK C で記述されている。(MPW-C 2.02 を使用してNCSA Telnet 2.3のオリジナルコードも 出力可能!#ifdef Power!) ◎ 漢字コードの送/受信を可能にした。 (ftp text modeでの漢字変換は行なわない) ◎ 上記のような ASL.config.telキーワードを変更/追加した。 ◎ NCSA Telnet 2.3はウィンドウを14枚以上開こうとするときにバグによりヒープ を傷つけるため、ASLTelnet 2.3では最大ウィンドウ(セッション)数を12枚に設定 した。 ◎ NCSA Telnet 2.3はメモリーフルのハンドリングが不十分である。(2.2のときよ り良くなっている)ASLTelnetではメモリーが少なくなってきたときに、ビープ音を三 度鳴らしユーザに警告する。メモリーフルになる原因はスクロールバッファが動的に 取られるためで、このバッファを多く設定していたりウィンドウを何枚も開いて使用 しているとメモリを使いきってしまい爆弾の原因となる。ASLTelnet 2.3ではこの問題 を回避するためより厳重なメモリチェックを行なっている。(ビープ音がなっても特 に支障はない。スクロールバッファがそれ以上取られないだけである) ASLTelnetをマルチファインダ上で使用しているときにはデフォールトで768kの メモリパーティションを使用します。このサイズはファインダの Fileメニューの GetInfo...で変更可能です。より大きいメモリパーティションが必要なときには各自 変更して下さい。 ◎ ASLTelnet 2.3/a7からMacTCPドライバを組み込みました。NCSA TelnetではMacTCP 専用のTelnetを用意していますが、ASLTelnetはASL.config.tel内のhardwareキー ワードをhardware=MacTCPとするだけでMacTCPドライバを指定できます。ASLTelnet がMacTCPドライバをオープンできない時には、ビープして終了します。 ◎ ASLTelnet 2.3/a15からPrint Selection...の漢字表示をサポートしました。使 用するフォントは等幅ゴシック10ポイントです。等幅ゴシックは漢字トーク6.0. 7パッケージにバンドルされています。ウィンドウのrcodeがasciiに設定されてい るときはクーリエフォントを使用します。(rcodeがtcodeに設定されているときは tcodeを参照する)等幅ゴシックがシステムに組み込まれていない場合もクーリエを使 用します。 ◎ ASLTelnet 2.3/a15からハイスピードftp/MacTCPチューニングを搭載 しました。(MacTCP版のみ)このためメモリをかなり消費するようになりました ので、メモリが足りないようならパーティションサイズを大きくして下さい。 ハイスピードftpのピークパフォーマンスは以下のとおりです。 ASLTelnet 2.3/a15 High Speed ftp Benchmark Host : SPARCstation 1 : SunOS 4.0.3c : 8MB mem Mac : Mac II fx : System 6.0.7 : 128k ram cache : uni finder : EtherCard : MacTCP 1.0.1 : 20MB mem Transfer File : vmunix (1MB,SunOS) Binary Put : 330k / sec , 19.8MB / min Binary Get : 160k / sec , 9.6MB / min ASCII Put : 110 k / sec , 6.6MB / min ASCII Get : 110k / sec , 6.6MB / min ご覧のように転送スピードがかなり改善されています。MacTCPの性能をフルに 発揮できるようにチューニングしています。ram cacheは128k〜256kが最適の ようです。あまり大きく設定してもftpのスピードは上がりませんのでご注意くだ さい。 ◎ ASLTelnet 2.3/a15からSystem 7.0と A/UX2.0.1対応になりました。もちろん3 2ビットクリーンです。System 7.0上でもAppleTalk (FastPath 4経由) / Etherを テストしていますが、Gatorboxを使うとAppleTalk版が動かないという情報がuunet に流れています。この場合は MacTCPを入手するかGatorboxの購入先に相談してくだ さい。 ● ASLTelnet 2.3の配付方法について 特に作者の転載許可なく配付/転載して結構です。(非営利のみに限る) 必ず ASLTelnet 2.3 / ASL.config.tel.appletalk / ASL.config.ether / ASL.config.tel / rel.noteの無変更の5ファイルを配付して下さい。 このプログラムを許可なく販売することを堅く禁じます。商品(CD−ROMを含む) に添付する場合はTOMATOの許可が必要となります。詳細はネットワークを通じ てコンタクトしてください。 ● 制限事項 ◎ 日本語サポート可能なフォントは ASLFont+のみです。他のフォントは英語フォン トとしてご使用ください。(漢字トーク6.0.7に添付されている等幅フォントでも 使えます) ◎ Emacs(Nemacs)を使用したときに ^C (Control-C)が入力できません。回避方法と してSession Menuの Setup Keys...の Interrupt Processキャラクタ(デフォールト はControl-C)を違うキャラクタに変更してください。EditメニューのPreferences... のRemap option key to controlをオンにしておけばオプションキーで ^Cを入力でき ます。 ◎ 68040・68LC040マシンでは、内蔵TCP/IPドライバが正常動作 しませんので、MacTCP 2.0.4以降を使用して下さい。 ● 修正されたバグ/バージョンアップ情報 ◎ Save Setで作ったコンフィギュレーションをLoad Setすると、カラー設定がおか しくなる 。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/a5) ◎ 68000CPUのマックで日本語を表示するとSystemErrorになる。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/a5) ◎ ICR プロトコルのバグを修正した。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/a7) ◎ MacTCPに対応した。 (Supported in ASLTelnet 2.3/a7) ◎ ICR プロトコルのバグを修正したつもりであったが、何とまだバグがいた。(大き なICRウィンドウで爆弾になる) ICRプロトコル中にコンソールをクローズするとICR ウィンドウが使えなくなる。(NCSAのバグ) (Fixed in ASLTelnet 2.3/a8) ◎ MacTCPのコネクションクローズのバグを修正した。NCSAのバグであり、このバグ が起こるとコンソールが異様に重くなる。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/a8) ◎ マルチファインダ上でのパーティションサイズを640kから768kに変更し た。大きなICRウィンドウを使用する場合はパーティションを1〜2メガ以上に変更 した方が良い。 (Changed in ASLTelnet 2.3/a8) ◎ シフトJISのカナ入力のバグを修正。 Mac Portableでの爆弾を修正。 ASLFont+の9ポイントのカナの幅が1ドット多いバグを修正。 ASLFont+と8・24GCカードの問題を修正。 ASLFont+の9ポイントをカラーで使うと1ライン消去されるバグを修正。 MacTCP版のバグを修正。 ftpのバグ(64ファイル以上の転送のハングアップ等)を修正。 ESC ( 0 , ESC ( Jでグラフィックスモードから抜けないバグを修正。 CコンパイラをTHINK-C 4.0.2 -> 4.0.5へ変更。 32ビットクリーン、System7.0、A/UX2.0.1対応。 Load / Save Set...で tcode / rcode / fixauxキーワードを追加。 asl.config.telにデフォールトのtcode / rcode / fixauxを指定できる。 グレーパレットの初期化を削除。 Print Selection...の漢字表示をサポート。 ハイスピードftp/MacTCPチューニングを搭載。 (Fixed / Changed / Added in ASLTelnet 2.3/a15) ◎ ASLFont+ 9pointのFont Heightのバグを修正。 Mac Portableでの爆弾を再度修正。 Back Scrollでの爆弾回避のための応急処置を追加。SysBeepで報告。 (Fixed / Changed / Added in ASLTelnet 2.3/a16) ◎ ハイスピードftpのバグを修正。 malloc / freeのバグを修正。 カーソルのパージを修正。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/b1) ◎ KT 7.0 gom versionに対応。 System 7.0用カラーアイコンを追加。 オプションキーハンドリングを変更。 DisposePaletteメッセージの削除。(non-color mac only) (Fixed in ASLTelnet 2.3/b2) ◎ アイコンマスクのバグを修正 漢字トーク7.1対応 ASLFont+2.0をバンドル。 漢字トーク7.1用のMacTCPはバージョン1.1.1を必要としますが、仮想 記憶やローカルトーク経由でなければMacTCP1.1でも一応動作しています。 1.1.1はAPDA、APDA−Japanから購入できます。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/b3) ◎ ASLFont+2.0のバグを修正 ASLTelnetを512x342の画面のマックで使用したとき24ライン表示 できないフォントのバグを修正しました。ASLTelnetのリソースにいるAS LFont+2.0はASLTelnet専用の9ポイントフォントを含んでいます。 (Fixed in ASLTelnet 2.3/b4) ◎ Apple II Keyboard II JISキーボードに対応 (Fixed in ASLTelnet 2.3/b5) ◎ MacTCPのDNS (Domain Name Server)に対応 command-K (close window)を command-Wに変更 (Added / Changed in ASLTelnet 2.3/b6) ◎ ASLFont+3.0.1をバンドル THINK C 7.0.5に変更 (Added / Changed in ASLTelnet 2.3) ● NCSA Telnet 2.3のマニュアル NCSA Telnet 2.3のマニュアルは、NIFTY-Serve FMACPRO:LIB 7 Data & Documentations ライブラリの27番に登録されています。(MS-Word Document) 27* SDI00177 89/11/26 230016 209 B NCSA Telnet 2.3.doc.sit ● パスワード設定用プログラム telpass NCSA Telnet 2.3のマニュアルは、NIFTY-Serve FMACPRO:LIB 2 Applicationsライブ ラリの165番に登録されています。 165* SDI00177 92/02/24 36608 409 B ASLTelnet telpass.sea ● バグ情報について NCSA Telnetでは問題ないがASLTelnetでおかしいと言うバグを 見つけられた方はバグ情報を下記のネットワークを経由して送っていただけると幸い です。 ゲートウェイの設定方法等の基本的な問い合わせに対してはメールでお答えできませ んのでご了承ください。 ● Special Thanks to... 富士通研の岸本氏、理経の皆さん(特に山内氏)の協力なくして ASLTelnet を完成す ることはできなかったでしょう。この場をお借りしてお礼申し上げます。またNIFTY- Serveでバグレポートを送っていただいた陣崎氏、鎌倉氏、中川氏、NIFTY-Serve FMACPROの会議室で助言していただいた方々、NCSA Telnet 2.4の最新情報を提供して いただいた SRAの佐藤 圭さん (日経mix mac.network議長)、JISキーボードを貸し ていただいた小島さんに感謝します。 < Dedicated to Japanese Researchers & Developers > ● ASLTelnet 2.3 Copyright Notice Copyright (c) 1988-2004 TOMATO All Rights Reserved. ● ASLTelnet 2.3 Author Hiroo Yamada / 山田 浩大 TOMATO: Tokyo Mac Tech. Organization Share and Enjoy