ミッション1.「100台のマックを管理せよ」
皆さんは、100台のマックの同時リスタート音を聞いた事がありますか? 1999年にサン・マイクロシステムズ様との共同作業で、大学の教育システムで使用される100台のマッキントッシュ G3用管理システム開発の仕事に恵まれました。Mac OS起動後にログイン画面を表示して yppasswdプロトコルでサンのサーバに接続してユーザ認証、ファインダと Eudora Proを自動起動し、指定時刻に自動シャットダウンする仕様でした。当時はまだ Mac OS Xもリリースされておらず、yppasswd, RPC/XDR, TCP/IP等のライブラリは弊社が開発した ActiveSocket TCP/IPライブラリを投入しました。 教育システムはパーソナルな環境とは言えず、大勢のユーザにいろいろな使われ方をするため、トラブルを起こした後で如何に早く復旧できるかがキーポイントです。私が考案したのはハードディスクに2つのパーティションを切り、バックアップパーティションから復旧させるHDパーティションコピーと、ハードディスクのデータを100台同時に書き換えられる ネットアップデートの2つの方法でした。前者はユーザによるトラブルの場合に、後者はハードディスク内の Mac OSのバージョンやアプリケーションを一斉にアップデートする場合に使用しました。 もし、管理者の方がこれらの作業を手作業で行っていたらかなり大変だったでしょう。一つ苦い思い出があるのですが、ネットアップデートの開発中に自分のプログラムミスで過半数のマックが起動しなくなってしまった事がありました:)罰ゲームとして1台ずつセットアップしなおしたのを、今でも良く覚えています。 当時のハードディスクの転送スピードはあまり早くなかったので、ローカルハードディスクのパーティションコピーより、100Mbpsのネットアップデートの方が早くコピーできました。理由はローカルハードディスクのパーティションコピー時はパーティション間移動のヘッドシーク時間がかかりますが、ネットアップデートではなくなるためです。ネットワーク転送スピードがハードディスク転送スピードを上回っていたため、このような結果となったわけです。 下の画像は開発中のネットアップデートリモート管理プログラムのユーザインターフェースです。黄緑色のmac2のハードディスクパーティションデータを96台(マック16台 * ハブ6台)の学生用マックに一斉アップデートを終えたところです。一番右の列のギガハブの調子が悪く、mac134はハードディスク不良で、エラーが頻発しています。ハブとハードディスク交換後はエラーは出なくなりました。
ミッション2.「デジカメボリュームをデスクトップにマウントせよ」
Active Mounterの原形と言えるファイルシステムドライバ開発の仕事がスタートしたのも1999年でした。リコー様のデジタルカメラ RDC-7 / RDC-i700 / RDC-i500 / Caplioシリーズのマック用 RDC & Caplio Mounterを開発してきました。大抵のデジカメは USBマスストレージクラスの単純なサポートのみですが、リコー社のデジカメは FTPライクなプロトコルでデジカメのリモート制御を可能にしています。RDCシリーズのプロトコル設計には関わっていませんが、Caplioシリーズではより高速な転送を実現するために新プロトコルの仕様に関わりました。 私が得に気に入っている機種は RDC-i700です。何と USBやイーサネット経由のTCP/IPプロトコルでデータ転送したり、ウェブサーバ/メール機能も内蔵しているロングセラー機種です。もちろん生みの苦しみも一緒に味わいましたが:) 下の画像は RDC-i700プロトタイプで撮ったペットです。ハムスターは生後2週間くらいまでほとんど目が見えないので、親と間違えて手のひらで甘えてくれます。 |
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